第2章 勧誘時における先物被害
Q7 勧誘の際、「必ず儲かります」と言われたが本当か
A7

 「必ず儲かる」という断定的判断の提供をして勧誘する行為は、法律で禁止されています(商品取引所法214条1項)。
また、断定的判断の提供に基づく契約は、取り消すこともできます(消費者契約法4条1項2号)。

Q8 断ったのに勧誘の電話がかかってくるがやめさせるにはどうすればよいか
A8

明確に先物取引をやるつもりはないと言っても、しつこく勧誘する行為は、明らかに不当勧誘行為に該当します(商品取引所法214条5項)。

何度も電話勧誘がある場合には、先物業者名と担当者名を聞き出して、日本商品先物取引協会に苦情の申出を行ないましょう。

Q9 勤務先に勧誘の電話がかかってくるがどうすればよいか
A9

勤務先に何度も電話勧誘を行なうことは、顧客に迷惑を覚えさせる勧誘方法として禁止されています(商品取引所法214条6項)。
Q8と同じく、日本商品先物取引協会に苦情の申出を行ないましょう。
なお、電話の内容などはテープ録音して証拠に残しておいたほうがいいと思います。

Q10  先物業者から「とにかく一度会いたい」と言われたが会っても大丈夫か
A10 会う必要はありません。会えば取引に必ずや引き込まれますので絶対やめましょう。
Q11 先物業者からいきなり資料が送られてきたがどうすればよいか
A11

たとえ資料を受領していたとしても、先物業者の外務員に会って説明を受ける義務はありません。
なお、一方的に送付を受けた資料は、自由に処分して差し支えありません。

Q12 しつこく勧誘されたので「取引する」と返事をしたが今からでもやめられるか
A12

電話でやりますと返事をしただけでは、何の義務もありません。

先物取引を開始するには、まず、先物業者に対して、「その先物業者に取引を委託します」という内容の「約諾書」や、書類の送付先・連絡先を先物業者に対して明示するための「通知書」を作成し、その上で、委託証拠金を預託して初めて具体的な取引の注文をすることができるのです。

電話でやるといっただけでは、まだ取引をしたことにはなりませんので、きっぱりと断ってください。
あいまいな木元委で取引を始めると莫大な損失を被ることになります。

Q13 執拗な勧誘を受けてうまく断れないがどうすればよいか
A13

取引を始める意思がなければ、その旨をはっきりと外務員に告げてください。

取引の意思がない旨の意思表示をした者に対してさらに勧誘をすることは、法令で禁止されています(A8参照)。

Q14 先物業者から「10枚からしか取引できない」と言われたが本当か
A14

そんなことはありません。1枚、2枚からでも取引はできます。

先物業者は顧客から多くの取引依頼があれば、その分多くの手数料及び委託証拠金を預かることができます。

そして、外務員は、顧客から預託を受けた証拠金額が営業成績に直結する場合も少なくないので、「一口性の勧誘」を行なうことが多くなるのです。

Q15 個人名義と会社名義の両方で取引を勧められたが応じてよいか
A15

個人名義と会社名義の両方で取引を勧誘するような先物業者は極めて問題が多いと思われます。

顧客に仮名や他人名義など本人以外の名義で取引をさせることは禁止されています(商品取引所法116条2号)

Q16 「値動きが予想できるから安全です」と言われたが本当か
A16

先物業者の「今は値動きが予想できるから」という言葉は、全くの偽りです。

先物取引が証拠金取引である以上、想像以上の損害を被る可能性がある取引であることは自明であり、「安全です」 という言葉も事実に反します。

Q17 「商品を組み合わせてリスクを分散しているから安全」というのは本当か
A17

何度も言いますが、先物取引自体が、そもそも危険な取引なのです。
ですから、「安全な」先物取引なんてものはあり得ません。

「分散投資」と称して多くの銘柄の取引を行なえば、全体的な取引枚数も拡大します。

これが先物業者の狙いでもあります。取引回数、取引枚数が多くなればなるほど、業者は委託手数料を徴収できることになりますから、顧客に複数の商品を勧めて取引を継続させることは、業者にとってはうまみがあるのです。

Q18 「コンピュータで値動きを予想して利益を確保する」と言われたが本当か
A18

コンピューターと聞くと、いかにも合理性・信用性があるかに聞こえますが、商品先物取引の相場は、様々な価格形成要因が絡みあって形成されるものであり、コンピューターを用いた計数分析によっても、その行方を的確に予想することは極めて困難といえます。

現に、ノーベル賞を受賞した科学者が、高等数学を駆使して行なったデリバティブ取引で大失敗した事例もあります。

Q19 追証があるから預けた金額の半分以上の損は出ないというのは本当か
A19

全くの虚偽の説明です。

先物取引では、僅かな値動きでも大きな損失が発生する可能性があります。損失が続いて値洗い損が増えてくると、最初に差し入れていた委託本証拠金の担保だけでは足りなくなります。しかも、顧客が最終的に損切りした場合、その後の清算ができるのか不安が生じます。このような場合に供えて、委託追証拠金いわゆる追証が必要となるのです。

追証は、未決済の建玉の値洗い損の額が、委託本証拠金の50パーセント相当額を超えてしまった場合に発生します。

したがいまして、追証が発生している場合に、取引を仕切れば、預けたお金以上の損失が発生していると思われますので、問いのような説明は全くの虚偽なのです。

 

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